発達障害グレーゾーン

発達障害グレーゾーンとは、正式な病名ではなく、発達障害の特性がみられるものの、診断基準には満たない状態の通称です。発達障害にはADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)などがありますが、グレーゾーンの症状の程度はかなり幅広いといえるでしょう。

診断基準を満たさない中には、発達障害の特性のあらわれ方が一定ではなく受診のタイミングで目立った症状が出ていなかったケースや、発達障害の診断基準のひとつである幼少期の症状の記憶が曖昧だったケース、環境によりうまくフォローされていて気付かなかったケースなどがあります。

ただし、グレーゾーンだからといって、症状が軽いとは限りません。特定の症状が強く出て、生きづらさを抱えている人も少なくありません。さらに生きづらさから、うつ病や不安障害、不眠症などの二次障害があらわれることもあり、二次障害については早めの治療が必要です。

対処方法は発達障害と同じで、その人の特性や困りごとに合わせた工夫が必要です。たとえば医師から「診断基準は満たさないものの、ADHDの傾向があります」と告げられたら、ADHDの対処方法を参考にします。

診断基準を満たしていなくても、地域の発達相談や、発達障害者支援センターなどに相談できます。また、同じ悩みを持つ人同士のコミュニティなどを活用する人も増えてきているようです。最近ではWebやSNS上でも悩みを相談しあい、生活上の工夫方法を情報交換している人たちもいます。

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