ビタミンCがもたらす効果とは?肌や体への働き・効果的な摂取方法を解説

ビタミンCがもたらす効果とは?肌や体への働き・効果的な摂取方法を解説

ビタミンCは一般的に「美肌効果のある栄養素」として知られています。

メラニンの生成を抑制し、肌のしみ、そばかす、日焼けなどによる色素沈着を緩和する効果や、コラーゲンの生成を助け、肌の弾力を維持する効果の他、抗酸化作用もあります。肌だけでなく体の諸器官に対してさまざまな働きをしてくれるビタミンCは、私たちにとって必要不可欠な栄養素です。それだけに、不足すると困った影響も出てきてしまいます。

本記事では、ビタミンCが美容・健康面で肌や体にもたらす効果や、ビタミンCが不足することによって起こる影響、効果的な摂取方法などについてご紹介します。
石神 昭人 先生

監修

石神 昭人 先生 (東京都健康長寿医療センター研究所 副所長、日本基礎老化学会 理事長、日本ビタミン学会 理事)

ビタミンCとは?

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、化学名はアスコルビン酸といいます。16世紀~18世紀にかけての大航海時代に流行した、壊血病(ビタミンC欠乏症)を予防する成分として、発見されました。

ビタミンCは、私たちの体にさまざまな効果をもたらし、生命活動を支えてくれているのですが、ヒトなどの一部の動物は、合成に必要な酵素が欠損しており、体内で合成することができません。そのため、食事などから摂取する必要があります。

ビタミンCの効果

ビタミンCは、コラーゲン、L-カルニチンおよび特定の神経伝達物質の生成に関与していることから、美容や健康面の効果が期待できる栄養素として知られています。
そんなビタミンCにはどのような効果があるのか、不足してしまったときにどのような影響があるのかをご紹介します。

肌への美容効果

ビタミンCが肌に与える美容面の効果としては、

  • メラニンの生成を抑制し、しみ、そばかす、日焼けなどによる色素沈着を緩和する
  • 肌トラブルや老化の原因となる活性酸素が体内で増えすぎないように発生を抑えたり、取り除いたりする(抗酸化作用)
  • 肌や関節の弾力性を保つのに必要なコラーゲンの生成を促進する

などが挙げられます。

肌は、紫外線や外気の乾燥といった外的要因にさらされることによって活性酸素の生成が進み、トラブルが生じやすい臓器といわれています。活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態です。活性酸素が生成されすぎてしまうと、細胞を攻撃し、肌のバリア機能を低下させるなど、肌にさまざまな悪影響を及ぼします。
しみ・しわ・たるみ、乾燥などの肌トラブルを起こしやすくさせるのです。

ビタミンCには、そんな活性酸素の過剰な生成を抑える効果があるため、摂取することで肌トラブルが起こる原因を減らすことができます。また、コラーゲンの生成を促進するため、肌の弾力性を保つことにもつながります。

健康面での効果

ビタミンCは肌だけでなく、私たちの健康にも深くかかわっています。

ビタミンCには、以下のような健康面での効果があるといわれています。

  • 活性酸素の過剰生成を抑える
  • 鉄分の吸収を促進する
  • 神経伝達物質の生成にかかわる

反対に、ビタミンCが欠乏すると、体にはさまざまな悪影響が生じます。ビタミンCそのものが欠乏することによって起こる悪影響に加え、活性酸素が過剰になることによって引き起こされるものもあります。

ビタミンCそのものの欠乏による悪影響として代表的なものが、重度な欠乏によって生じる、壊血病です。壊血病は別名「ビタミンC欠乏症」と呼ばれています。ビタミンCが欠乏してコラーゲンが生成できなくなることによって、細胞間の結合が弱まってしまう病気です。

初期には体内の免疫機能が低下し、毛髪や皮膚の乾燥、脱力感、うつ状態などがみられます。さらに欠乏症状が進むと、細胞の結合が弱まることで血管がもろくなり、太ももにあざがあらわれます。その後、歯ぐき・消化管・粘膜などからの出血などもみられ、最悪の場合死に至ることもあります。

その他、ビタミンCが不足することによって神経が正常に機能できなくなるため、物事に対処する機能の低下や、食欲不振がみられることもあります。

抗酸化作用があるビタミンCが不足した結果、活性酸素の産生が過剰になり、病気になりやすくなるという影響もあります。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働きますが、過剰になると細胞を攻撃するため、肌トラブルだけでなく、がん、心血管疾患、生活習慣病をはじめとした、さまざまな病気の要因となるのです。

さらに、体を疲れやすくしたり、筋力低下を感じさせたりすることに加え、体重の減少や筋肉や関節に漠然とした痛みを感じるなどの影響もあります。

ビタミンCを適切に摂取することには、こうした健康面の悪影響を防ぐ効果も期待できます。

ビタミンCの摂取方法

ビタミンCを体内に取り入れる方法は、大きく二通りあります。
一つは経皮、肌に塗ることで取り入れる方法。もう一つは経口、つまり飲んだり食べたりして口から栄養を摂取する方法です。

摂取方法によってどのような違いがあるのかみていきましょう。

肌に直接塗る|経皮摂取

ビタミンCが配合された化粧水や美容液などは肌の表面に塗ると、表皮にビタミンCが取り込まれ、肌にさまざまな効果をもたらします。

例えば、紫外線に当たる前後にビタミンCを肌表面に塗ると、表皮に取り込まれたビタミンCが、紫外線による細胞障害やメラニン色素の生成を抑制したという報告があります。

口から栄養を補給する|経口摂取

ビタミンCを経口摂取すると、摂取したビタミンCは消化管から血液に取り込まれます。そして、その後、肌など体内のさまざまな部位に移行していきます。

経口摂取には、食べ物から摂る方法と、医薬品やサプリメントなどで補給する方法があります。
栄養は食べ物から摂るのが理想ですが、食品中のビタミンC含有量は季節、輸送方法、保管時間、貯蔵方法、調理方法などの条件によって変化します。加えてビタミンCは、熱や酸化などに弱く、調理中に失われやすいビタミンとして知られています。これらのことから、医薬品やサプリメントなどで安定した状態のビタミンCを摂取するのも一つの方法といえるでしょう。

なお、ビタミンCの血液中の濃度は体内で厳密にコントロールされ、極端に上昇することはありません。摂りすぎたビタミンCは、尿中に溶けて体外に排泄させることがほとんどですが、1回の摂取での吸収には限界があるため、摂れば摂るほど良いわけでもありません。医薬品やサプリメントなどから足りないビタミンを補給する場合には、製品に記載されている注意事項を守って正しく摂取するようにしましょう。

ビタミンCを効果的に摂取するには?

美肌や皮膚の健康のためにビタミンCをより効率的に摂取したいと考えた場合、肌に直接塗るのが良いのか、それとも飲んだり食べたりして経口摂取するのが良いのか悩む人もいるでしょう。

経口摂取したビタミンCも、たしかに肌に移行することがわかっており、どちらの方法でもビタミンCの効果を得ることは可能です。マウスを使った実験にはなりますが、経口摂取したビタミンCは約6時間後に肌で最大濃度になっていたという報告もあります(ビタミン, 95(12), 532-534, 2021)。

経口で食材などからビタミンCを摂取すると、体内の必要な部位に適切に移行するので、体全体の健康を維持するのに役立ちます。ただし、例えば紫外線による肌トラブルを直接改善したい場合は、肌に塗布するほうが良い場合もあります。表皮に取り込まれたビタミンCが肌表面の細胞へのダメージを抑える効果があるからです。

経口摂取によって体に必要なビタミンCを補いながら、必要に応じて、ビタミンC製剤や誘導体など肌から吸収しやすいように加工されたタイプの製品を使用する、経皮摂取も追加すると良いかもしれません。

【プチメモ】ピュアビタミンCとビタミンC誘導体

ビタミンCは純粋なアスコルビン酸であるピュアビタミンCと、ヒトの皮膚内で切り離されてアスコルビン酸になり、効果を発揮するビタミンC誘導体の大きく二つに分けられます。

ピュアビタミンC(アスコルビン酸)には、光や熱、酸化に対して不安定という特徴があります。それゆえ、サプリメントや化粧品に配合して利用するには、安定化させることが非常に重要でした。

そこで開発されたのがビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体は、アスコルビン酸にリン酸などを付加して安定化をはかった物質です。そうして安定化させたビタミンC誘導体の一部がヒトの皮膚内に入ると、付加した部分が切り離され、ビタミンCと同等の効果を発揮します。

ただし、ビタミンC誘導体の体内での働き方は、付加されたものによって変わってきます。また、付加された部分が切り離された後にビタミンCとして働くので、効果が発揮されるまでに多少時間がかかることがあります。これがビタミンC誘導体の特徴です。

一方、ピュアビタミンCは、体内に入るとすぐに効果を発揮します。そのため、「即効型ビタミンC」などとも呼ばれます。

「ビタミンCを含む」と表示されている食品や化粧品には、ピュアビタミンCを含むものとビタミンC誘導体を含むものがあります。ビタミンCの効果を期待して製品を選ぶ際には、含まれているビタミンCがどちらの種類なのかをチェックし、ご自身の希望に合ったものを選ぶと良いでしょう。

ビタミンCを摂取して健やかな体を維持しよう

ビタミンCは、摂取することによって美容や健康面で効果が期待できる栄養素です。哺乳動物の多くは、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、ヒトは体内でビタミンCを合成できないため、積極的に摂取する必要があります。

しかし、ビタミンCには光や熱、酸化に対して不安定という特徴があり、食べ物から摂取すると収穫時期や保管方法、調理方法などによって含有量や得られる量が変化しがちです。

したがって、肌に直接塗ったり、医薬品やサプリメントなどを利用し、安定した状態で摂取することも一つの方法です。意識的にビタミンCを摂取して、健やかな肌・体を維持していきましょう。

参考文献

  • 日本ビタミン学会, 2004「ビタミン バイオファクターと生命科学 第78巻1号」
  • 日本ビタミン学会, 2021「ビタミン バイオファクターと生命科学 第93巻4号」
  • 日本ビタミン学会, 2021「ビタミン バイオファクターと生命科学 第95巻12号」
  • 厚生労働省e-ヘルスネット
  • 日本食品安全協会会誌16(4)特集:「ビタミンと感染症」