症状別対策BOOK

腰痛の対処法

ゆっくりと自分のペースで取り組むことができる対処法をご紹介します。

栄養補給

腰痛をやわらげるビタミンB群、血行を良くするビタミンE

長時間同じ姿勢をとることなどで筋肉や神経が疲れ、それが原因となって、腰痛になることがあります。そのようなときは、ビタミンB1とビタミンEをとると良いでしょう。

ビタミンB1には、筋肉や神経の疲れをやわらげる働きがあります。ビタミンEには、血液の流れを良くし、筋肉の緊張を取る働きがあるので、痛みをやわらげるのに役立ちます。また、ビタミンB1・B6・B12は神経ビタミンといわれ、神経がうまく働くために大切な栄養素です。ビタミンB1とともに、ビタミンB6とB12もとるように心がけましょう。

筋肉や骨の強化のためたんぱく質やカルシウムも

腰痛の予防と治療には、腰の筋肉や骨を強くしておくことも大切です。

筋肉の強化には、筋肉を構成するたんぱく質が必要。たんぱく質をとって、背筋を付ける体操をしましょう。

さらに骨の強化には、カルシウムが必要不可欠です。一見、生きているようには見えない骨も、実は2~3年周期で生まれ変わっています。カルシウムは毎日とるのが基本です。

こちらもチェック!

急性は冷やし、慢性は温める

患部に直接働きかける方法として、患部を冷やす方法と温める方法があります。どんなときに冷やし、どんなときに温めれば良いのでしょうか。
原則として、熱を持っているような炎症状態の急性の痛みは冷やし、慢性の痛みは血行を良くするため温めてください。
わからないときは、どちらかやってみて気持ちの良い方を採用すれば良いでしょう。冷やすべきときに温めると具合が悪いと感じるはずです。

患部の冷やし方

簡単で手軽な方法としては、タオルを水か氷水で濡らしたもので冷やすか、パップ剤を貼るか、市販のコールドパック(冷却剤の入ったパックを冷蔵庫で冷やしたもの)を使います。氷で長時間冷やすのは冷やし過ぎです。

患部の温め方

温める場合は、体の中まで温めるお風呂などが良いですね。他には、赤外線や痛む部分に当てるホットパック、ドライヤー、使い捨てカイロ、またマッサージなどの方法があります。温める時間は、ホットパックの場合10~15分ほど、ドライヤーや使い捨てカイロでは腰の部分ならば15分以上、脇やお腹は5分以上温めてください。

特殊な方法としては冷灸といわれる方法があります。これは急激に冷やした際に起こる反射性の血管拡張を利用して温かくする方法で、ビニール袋に冷蔵庫の氷を3~4個入れ、温度を下げるために塩を一つまみ加えて痛む部分に当て、ゆっくり力を加えた後に、10秒ほどたったら離し、それを赤くなるまで繰り返します。注意することは冷やし過ぎないこと。後は乾いたタオルで良くふき取り、軽く揉んでおきます。終わってからは痛みの場所を冷やさないように注意してください。

慢性腰痛のための自分でできるホットマッサージ

  1. 80℃くらいの湯で約10分温めたホットパックを用意します
  2. ホットパックを湯でしぼったタオルでつつみます。これをビニールにのせ、患部に当たるようにして、あおむけに寝ます。この場合、枕を使わないで、ひざを立て、その下にクッションを当てがうと、腰への負担が少なくて済みます。なお、ホットパックを2つ用意して交互に使用すると、長時間温めることができ、効果はさらに高まります。

ストレッチをする

痛みをやわらげる体操です。
主に背筋と腹筋を鍛え、腰椎部の弯曲を矯正して痛みを和らげます。それとバランスの取れた運動を行うことで血液の循環状態を良くします。
(朝、晩2回は行なってください)

腰痛解消体操

≪1.腹式呼吸≫

ひざを立てて、あおむけに寝ます。つぎに両手をほほに付けて、鼻からゆっくり、思いきり息を吸いこみ、口からゆっくり息を吐きます。これを4~5回くり返します。

≪2.腹筋の強化≫

腹式呼吸の姿勢から5秒くらいかけて、ゆっくりと上体を起こします。肩が床から25cm程度上ったところで約5秒間、この姿勢を保ち、また5秒ほどかけて、頭を床にもどします。

≪3.背筋を伸ばす≫

できるだけ股を広げ、ひざを手前にひき寄せ、両手で両ひざをかかえます。頭や肩は床についたままで行ってください。

≪4.腹筋をほぐす≫

両手をほほに付け、あおむけに寝た姿勢から、上体はそのままで片足をもう一方の足の上にクロスします。クロスさせた足はベッドやフトンの外にたらして、このときに腰をひねります。この運動を左右くり返しましょう。とくに痛い側を念入りに行ってください。

≪5.繰り返し≫

以上の運動を4~5回くり返してください。