症状別対策BOOK

風邪・インフルエンザの対処法

気をつけるポイント、かしこい薬の使い方など、風邪・インフルエンザの対処法をご紹介します。

病気の治し方

風邪

安静にし、体力を温存すること。体がきつくなければ、無理に布団の中で横になる必要はありません。部屋は、温度を20~25℃くらいにし、加湿器などで保湿すると良いでしょう。
十分な水分と、たんぱく質やビタミンC、ビタミンB群の豊富な食事をしっかりとるのも大切です。せきやくしゃみなどがひどければ、市販薬で症状を軽くすることで、体力の消耗を抑え、結果的に免疫の働きを助けることにもなります。

インフルエンザ

かかったと思ったら、すぐに医師の診察を受けてください。いまは、医師が処方する薬には、ウイルスに直接効くものがあります。
インフルエンザの症状は、市販薬には手に負えないうえ、悪化すると肺炎になる恐れがあります。医師が処方する薬を早期に飲み始めれば、症状が出ている期間を短くし、重症化を防ぐことができます。

かしこく薬を利用する~風邪薬

風邪薬の特徴

風邪の原因であるウイルスを直接退治できるのは、体に元々備わっている「自然治癒力」です。できれば、十分充分栄養を摂って休むことが大切ですが、風邪はひいてから治るまでにふつうは約1週間かかります。
ゆっくり休養をとれない人は、この間、症状を軽くするために風邪薬を上手に使うことも大切です。風邪薬には風邪のつらい症状をやわらげてくれる働きが含まれています。

<市販の風邪薬>

総合感冒薬:
発熱、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せきなど、風邪のいろいろな症状をやわらげる効果がある。
解熱鎮痛薬:
熱を下げ、頭やのどなどの痛みをやわらげる効果がある。
口腔咽喉(こうくういんこう)薬:
のどの痛みや腫れをやわらげる効果がある。
鎮咳去(ちんがいきょ)たん薬:
せきを抑えたり、たんが詰まるのをやわらげる効果がある。
鼻炎用薬:
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどをやわらげる効果がある。
うがい薬:
口の中を殺菌・消毒する効果がある。

風邪薬の正しい使い方

市販の薬は、熱や鼻水、せきなどの苦しい症状をやわらげるための“対症療法”で、ウイルスの侵攻をくい止めるものではありません。
そのことを踏まえたうえで、補助的な手段として用いましょう。服用期間の目安は、3日間。それでも症状が軽くならないなら、他の病気の恐れもあるので、医師の診察を受けてください。

子どもに薬を与えるときは、気をつけて

大人用に医師から処方された薬があるからといって、決してそれを子供に与えたりしないでください。薬は、製品によって、服用して良い年齢が異なります。例えば、ジクロフェナクナトリウム(処方薬)やアスピリン(処方薬・市販薬)を、インフルエンザや水疱瘡(みずぼうそう)にかかっている子供が飲むと、重い脳炎・脳症を引き起こす恐れがあります。
市販薬でも、子供には必ず、子供用の用法のある薬を用いましょう。その際、注意書きをよく読んで、年齢と用法・用量を確認するようにしてください。

かしこく薬を利用する~インフルエンザ治療薬

インフルエンザ治療薬の特徴

インフルエンザの薬は、医師の診断が必要な処方薬です。最近では、症状を緩和させるだけでなく、ウイルスの侵攻そのものをくい止めるタイプの薬(リン酸オセルタミビル、アマンタジン、ザナミビルなど)が主流になってきています。
ただ、それらの薬が効果を発揮できるのは、症状があらわれてから2日以内。インフルエンザにかかったと思ったら、すぐに医師の診察を受けましょう。

ワクチンの予防接種

ワクチンの予防接種は、小中学生から大人までの年代なら、7~9割の確率でインフルエンザの発症が抑えられます。
乳幼児と高齢者は、この確率が5割以下と低くなりますが、とくに高齢者の場合、重症化や、老人施設などでの集団感染を防ぐなどして、インフルエンザによる死亡の8割を阻止する効果があるといわれており、予防接種の有用性に対する評価が高まっています。

簡単レシピ

元気の基本は、なんといっても、栄養価の高いおいしい食事。また、その昔、身近な食材の中から生み出され、今日まで長く受け継がれてきた数々の民間療法。風邪をひいた人の心と体が喜ぶ、簡単レシピをご紹介します。

卵雑炊

卵と緑黄色野菜で、たんぱく質とビタミンB群・Cをとることができます。

◆材料(4人分)

  • ご飯:600g
  • 卵:4個
  • 大根:3cm(100g)
  • にんじん:小1/3本(40g)
  • しいたけ:2個(20g)
  • ほうれんそうの葉:60g
  • だし汁:カップ6
  • 塩:小さじ1と1/5
  • しょうゆ:小さじ2
  1. 大根とにんじんは皮をむいて、いちょう切りにする。
  2. しいたけは石づきを取り、そぎ切りにする。
  3. ほうれんそうはゆでて2cmに切る。
  4. だし汁で(1)と(2)を煮て、柔らかくなったら塩、しょうゆで味をつけける。
  5. ご飯をざるに入れて洗い、水気をきって(4)に加えて煮る。溶いた卵を入れ、(3)を加えて半熟状に煮る。

りんごとキウイのヨーグルト

おいしくビタミンCを補給。ヨーグルトは胃腸にも優しい食品です。

◆材料(4人分)

  • りんご:大1個
  • キウイ:2個
  • ☆プレーンヨーグルト:400g
  • ☆はちみつ:大さじ2弱
  • ブルーベリージャム:適量
  1. りんごとキウイは皮をむいて食べ易い形に切る。
  2. (1)を、混ぜ合わせた☆であえる。
  3. お好みによりブルーベリージャムを適量加える。

卵酒

民間療法の代名詞といえるのがこの卵酒。イギリスや北欧でも、その土地のお酒に生卵を混ぜて飲む習慣があるそうです。高たんぱく、高カロリーの卵は栄養価も高くビタミンB2を含みます。同じく高カロリーで吸収が早いお酒はすぐにエネルギーに変わり、体をポカポカにします。

◆材料(1杯分)

  • お酒:100ml
  • 卵:1個
  1. 日本酒100mlに卵を落とし、お好みにより砂糖を加えて火にかける
  2. アルコールが不向きな人には、いったん沸騰させてアルコールを飛ばすこと。温かいうちにどうぞ。

しょうが湯

漢方の世界で「温剤」と呼ばれるしょうがには、体を温めるだけでなく、吐き気を止める作用もあるようです。また消化を助ける働きもあるので、吐き気や食欲不振をともなう風邪に効果的でしょう。

◆材料(1杯分)

  • お湯(カップ):1杯分
  • しょうが:1片
  • ハチミツ:大さじ1杯
  1. しょうが一片をすりおろす。
  2. (1)を湯飲みに入れて、ハチミツを大さじ一杯加える。後は熱湯を注ぐだけ。

ねぎ・にんにく湯

ねぎやニンニクに含まれる、特有のにおいの成分には、強精作用があり、ビタミンB1の吸収を高めるので、疲れを取り、元気をとり戻すのにピッタリの民間療法といえます。

◆材料(1杯分)

  • ねぎ(みじん切り):1/4本分
  • にんにく(すりおろし):1片
  • 味噌・しょうゆ:適量
  1. みじん切りにしたねぎと、すりおろしたニンニクを茶碗に入れる
  2. 味噌や醤油で味つけして、熱湯を注ぐ